1. 避難所情報
A町避難所の状況です(高校)
災害が発生し、行政職員が避難所運営を開始し、多くの支援者が派遣されてきました。地域の被災者は体育館の床にブルーシートを敷き、生活しています。この災害は、夏の暑い時期です。さっそく、この避難所はどのような状況なのか考えてみましょう。真夏でクーラーがない、ライフラインは途絶しています。どのような状況なのか、想像してみてください。では皆さん、ラピッドアセスメントシートを準備してください。
A町避難所情報
- 施設名:B高校
- 所在地:C市D町1丁目6番67号
- 電話:023-583-6789
- 避難者数:103名(男68名 女37名)
- 避難所以外の避難者数:車内22名
- 食事提供数:250食
- 昼間、夜間避難数:103名
- 未就学児:15名
- 乳児:8名
- ライフライン
- 飲料水:ペットボトル200本、食事:約2日分、使用可能トイレ:3個、電気・ガス・生活用水・電話:使用不可、医療支援と巡回はDMAT 1隊
- 環境
- トイレ掃除、下水、ペット収納、館内禁煙、ごみ収集場所、感染予防、母子スペース、更衣室、障害者トイレ不全
- 男女別トイレ、男女別スペース:不足
ラピッドアセスメントシートを書いてみましょう。
どうですか。ラピッドアセスメントシートは記載できましたか。ラピッドアセスメントシートを記載して、どのような避難所の状況なのか、なんとなく想像できますか???
避難所情報(1)
- 災害が発生すると、LESSON2で学修した法律をもとに避難所が開設されます。避難所の種類についてはLESSON1で学修しました。避難所が開設されても、人数制限やボランティア数の不足など、多くの問題が新たに生じてきます。
- 避難所が開設された後、ひとつの避難所に被災者の方が多く避難できない時には、被災状況を把握し安全が確保されている施設に分散避難を行う時があります。ホテルや旅館、保養施設、大学、宿舎などが利用されます。
- ここで重要なの、,被災者の方を災害関連死から守るために、適切な対応と場所の確保が求められます。
- 東日本大震災では多くの災害関連死が生じました。そのため、避難所でまず大切なことは、LESSON3で学修した災害医療におけるマネジメントです。
- 災害直後から避難所開設した後も、災害医療におけるマネジメントである「CSCA」が重要です。
災害が発生すると、LESSON2で学修した法律をもとに避難所が開設されます。 避難所の種類については、LESSON1で学修しました。避難所が開設されても、人数制限やボランティア数の不足など、多くの問題が新たに生じてきます。災害対策基本法に基づく、指定緊急避難場所・指定避難所の指定については、災害対策基本法において災害の種類ごとに指定することとされています。
災害救助法では救助の種類として、①避難所の設置、②応急仮設住宅の供与、③炊き出しその他による食品の給与、④飲料水の供給、⑤被服、寝具その他生活必需品の給与・貸与、⑥医療・助産、⑦被災者の救出、⑧住宅の応急修理、⑨学用品の給与、⑩埋葬、⑪死体の捜索・処理、⑫障害物の除去が規定されています。
しかし、避難所が開設された後、ひとつの避難所に被災者の方が多く避難できない時には、被災状況を把握し安全が確保されている施設に分散避難を行う時があります。ホテルや旅館、保養施設、大学、宿舎、などが利用されます。
ここで重要なのは、被災者の方を災害関連死から守るために、適切な対応と場所の確保が求められます。適切な対応については、後ほど学びますが、適切な場所とは、LESSON3で学修した3つのHです。医療を必要とする人、介護を必要とする人、健常な人それぞれが、生活継続が可能かどうか判断することです。ここでは、東日本大震災後を記載していますが、いままで発生した災害でも、災害関連死は生じています。この災害関連死を防ぐには、繰り返しになりますが、学修したCSCA、災害医療におけるマネジメントが大切になってきます。CSCAは、何回かでてきていますね。ここで、改めて復習してみてくたざい。
避難所情報(2)
- 看護学生の皆さんが、まずどこで活動を行くべきか、組織の一員として活動するには、指揮命令系統をまず確認しましょう。(Command & Control : 指揮命令系統、連携、調整)
- 災害が発生すると常に安全と向かい合わせになります。自分自身の安全、現場の安全、被災者の安全を常に念頭におきましょう。(Safety : 安全)また、二次災害予防は重要ですが、被災者の安全、すなわち健康を脅かすリスクの把握と対策を考えましょう。
- 災害時に発信される情報は,正確とは限りません.災害時の対応を困難にする原因で最も多いのは「情報伝達の不備」です。(Communication : 情報伝達)
- LESSON3で学修したように、災害時には「需要」と供給」が不均等になり、救える生命、防ぎ得た死をまねきます。
- LESSON1で学修した、インタープロフェショナルワークはもちろん、「いつ、誰から、誰に、どの情報」を継続すべきか整理するために、定期的に情報の共有が必要です。常に、「連絡、報告、相談」は欠かさず行いましょう。
- そして、集めた情報をいかに評価するか、状況をどう評価するかが鍵となります。限られた医療や資源をどこに、どのように配分するか。衛生状態、季節、食事の偏り、基礎疾患、高齢者の割合など、避難所を評価し、災害関連死、被災状況の悪化を防ぐように評価が必要です。看護学生の皆さんでも、できることは多くあります。(Aseesment : 評価)
災害が発生したとき、看護学生の皆さんは、まずボランティアセンターにいきます。 そこでまず、(Command & Control : 指揮命令系統、連携、調整)、自分達はだれの指揮下にいて(例えば、学校であれば校長などでしょう)、そして誰に報告をするのかを確認しましょう。つまり、現場責任者です。これは、災害時に大切な情報共有の順序につながります。
次に、(Safety : 安全)です。災害現場にたどり着くまで、事前情報と災害現場の現実が異なっていることがあります。自分と現場の安全確認なしに、自分自身が巻き込まれるような事態は避けなければなりません。繰り返しますが、いつ余震が発生し、建物が倒壊する恐れは十分あります。避難所でも安全に行動しましょう。そして、避難所にいる被災者に健康障害が発生しないよう考えましょう。これも安全です。また、ニュースで報道されたこともありますが、ボランティアや寄付金などで被災地の復興を支援しようと、多くの人がアクションを起こします。しかし一方で、パニックに陥った状況を利用して悪事を働く「火事場泥棒」という存在も現れるため注意が必要です。
そして、大事なのが(Communication : 情報伝達)です。ある先生は、「情報が災害を制する」と話していました。災害時の対応に失敗する原因で最も多いのは、情報伝達の不備です。需要と資源の不均衡、医療需要と医療資源のバランスが逆転し、救える命が救えない、防ぎえた死を防げないことは避けなくてはなりません。災害現場では様々な機関が集まり、普段は顔を合わせていない人たちと共同で活動を行わなければなりません。この際、各自が好き勝手に主張、活動すると、無駄な活動が増え、医療資源を浪費させることにつながります。つまり、共通の考え方を持ち、常にお互いの情報伝達、いつ、誰から、誰に、どの情報、継続すべき情報収集を定期的・不定期でも繰り返すことが重要です。
話は変わりますが、現在も蔓延しているコロナウィルス感染症の際、情報の問題が生じました。現場で人命を救うために自分の身を危険にさらして活動した医療者の中から、職場において「バイ菌」扱いされるなどのいじめ行為や、子供の保育園・幼稚園から登園自粛を求められる事態、さらに職場管理者に現場活動したことに謝罪を求められるなど、信じがたい不当な扱いを受けた事案が悲しいことに報告されています。このように、正確な情報流しているにも関わらず、理解に乏しいことも起こりえます。
最後に(Aseesment : 評価)です。集めた情報をいかに評価するか、状況をアセスメントするかです。皆さんは、臨地実習で、患者さんやカルテなどから多くの情報をとりましたね。そして関連図を書き、患者さんの看護問題を抽出しました。同様に、災害現場では、高齢者の割合が多い、生活習慣病をもつ方はいるか、食事の偏りはないか、衛生状態はどうか、季節はどうかなど考え、その場に必要なものは何か、考えていくことが必要です。ボランティアに参加している人は、学生のみなさんだけではありません。他にボランティアに参加している方と、コミュニケーションをとり、話し合って進めていくことが重要でしょう。