2. CSCAという考え方
C
指揮命令系統
現場責任者
指揮権
S
安全
自分
現場・生存者
C
情報収集
情報共有
連絡体制
A
評価
誰のために
何のために
では、まずCSCAという考え方を学修していきましょう。 Cは、Command & Control で指揮命令・統制のことを示します。これだけだと何のことか理解しにくいかも知れません。具体的に言えば、Command は、関係機関内での縦の「指揮命令」
Control は、横の連携である「統制」を意味する。 災害発生時の急性期に迅速な医療活動を行うためには、組織化された指揮命令系統の確立がその後の混乱を防ぐことが目的です。
Sは、安全 Safetyで、3Sともいい、 Self 自分自身の安全、Scene 現場の安全、Survivor スタッフ・患者・面会者の安全、医療従事者が安全に活動できないと判断される場合には、しかるべき組織への通報、現場からの退避、安全が確保されるまでの避難の原則に従うことです。
次の、Cは、Communication のことで、 意志疎通・情報収集・情報伝達のことを示します。
Communication は、さまざまな情報伝達を必要とする。 TV、ラジオ、インターネット、無線機、優先携帯電話、衛星電話等を使用し、現状の把握と医療組織内での情報伝達、警察・消防等との情報伝達、救援機関との情報伝達、被災者との情報伝達に努める必要があるということです。
Aは、Assessment で、評価・判断のことです。病院の状況(施設、負傷者、危険箇所、崩壊箇所など) 被災地の状況(負傷者、危険地域など)患者の受け入れが可能かを判断することです。
このCSCATTTの原則に基づき、各組織ではそれぞれの役割を認識し、行動することで、効率的な災害活動が展開できます。 実災害時には、災害時のマネージメントの基本として、災害医療の世界では広く活用されています。 ボランティアで活動する皆さんも、このCSCAを覚えておくことが大切です。
TTTとは
T:トリアージ
T:治療
T:搬送
Tが3つあります。それぞれについて説明します。 1つめのTは、トリアージ、災害現場、病院来院時、広域搬送時に被災者のトリアージを行い、治療の優先度(緊急度)や搬送順位を決めることてす。
2つめのTは、Treatment 、治療という意味です。トリアージで緊急度の高い被災者から傷病に見合った適切な治療を行うことを示しています。
3つめのTは、Transport 搬送です。病院の状況(人材や使用器具の在庫、ライフラインの状況など)を考慮し、 後方搬送・広域搬送を行うことです。東日本大震災では、実際に広域医療搬送が行われました。
広域医療搬送
【引用】
東日本大震災におけるDMAT活動と今後の課題。厚生労働省DMAT事務局。 https://www.bousai.go.jp/oukyu/higashinihon/2/pdf/kourou.pdf
厚生労働省DMAT事務局が作成した画像ですが、実際に東日本大震災の際には、花巻空港から、広域医療搬送が行われました。
HHHとは
H:ヘルスケア・トリアージ
H:手を差し伸べる
H:つなぐ
地域保健・福祉関連業務に従事する者を対象とした、BHELPコースというコースがあります。このコースは、発災直後から避難所での活動を効果的・効率的に実践するために、災害対応における知識、共通の言語と原則を理解し、被災者の生命と健康の維持、災害発生直後からの被災地内での災害対応能力向上に資することを目的とするコースです。先ほど学修した、CSCAに加えて、HHHは、要支援者を支援していく際の基本的な考え方です。 皆さんが学生として、避難所で活動する際に、知識として知っておくことは重要です。
HHHとは、言い換えれば、避難所の生活環境アセスメント、そして避難所の状況を評価していくことです。
最初のイントロダクションで保健福祉の視点でのトリアージ、ステージⅠからⅣについて触れました。忘れていたら、最初に戻って学修しましょう。この後の、LESSON4では、どのような方が、どのステージに該当するか学修します。ここでは、3つのHについて、少し触れます。
1つめのHは、ヘルスケアトリアージです。医療、介護、保健の支援が必要かどうか、トリアージします。
2つめのHは、手を差し伸べることです。具体的に説明すると、避難所が適切な衛生管理などが行われていなければ、様々な感染症を引き起こします。例えば、暑い夏に冷蔵庫が使えない状況で、食事が放置されていたら、食中毒を起こしますよね。そこで、皆さんがどうすれば食中毒を起こさないように、被災者の方に、どのように手を差し伸べるかです。イメージがつきましたか。水が少ないと、うがいがなかなかできないですよね。皆さんが講義や演習で学修したように、患者さんの清潔ケアはどうするかに当てはめると考えやすいかもしれません。このように、被災者の方に、避難所で不足していること、支援が必要な方に、手をさしのべることが、2つめのHです。
3つめのHは、つなぐです。避難所に医療支援が必要な方がいらっしゃったらどうしますか。例えば、気管支喘息が基礎疾患にある方がいたとします。災害後に気温や埃などを吸ってしまったために、気管支喘息が悪化した。その場合には、やはり医療施設へ入院などを考えますよね。このように、避難所で被災者の方の状況をアセスメントして、適切な場所に移動していただく、これがつなぐです。
参考までに、真ん中の写真は、皆さんの先輩が南三陸でボランティアをしている様子です。災害後も継続した支援を行っています。